その頃、カウアイに戻ったアイオヒは、自分のプライドが傷つけられたことに大層腹を立て、
今ではイカワイを逆恨みしています。いっそ、彼女を力ずくで奪ってしまおうと考えたアイオヒ
は、40人の兵士に武装させ、彼らを率いてパリウリに戻ってきました。
アイオヒは、たやすく勝利するだろうと考えていましたが、兵士達がイカワイの家に
突入しようとしたそのとき、ボディーガードのモオ、キハが出現し、あっという間に全員が餌食になって
しまいます。驚いたアイオヒは、最終手段として、カヒキから来たといわれる人食い犬、
カラフモクをけしかけましたが、しばらくしてアイオヒの元に戻ってきたカラフモクは
尻尾と耳を食いちぎられた惨めな姿になっていました。
傷心のアイオヒは、負け戦の噂が広がらないうちに、いっとき一緒に暮らしたポリアフに
慰めてもらおうと考えました。生き残った数人の部下を連れ、盛装してコハラへ向かいます。
突然自分のもとに戻ってきたアイオヒに感動したポリアフは、結婚の承諾したうえ、一緒に
カウアイに行くことまで承諾。そして、その夜は仲間内で宴会です。
夜になり、「キル」ゲームがはじまります。これは、上流階級の間で流行った、告白ゲーム
とでもいうようなもので、だいたいは、目をつけた相手を口説くのが目的ですが、
この中で、アイアヒの、イカワイに対する醜態がばれてしまいます。
ポリアフの熱は一気に醒め、彼女はアイオヒを見捨ててマウナケアへ去っていきました。
徹底的に傷つき、誰からも見捨てられたアイオヒもその後消息を絶ってしまいました。