カネは、クーやロノと較べるといまひとつ目立っていないですが、ハワイの四大神の中では一番偉い神だとされています。
それもそのはず、太陽の光や新鮮な水など、生命の根源になる要素をつかさどる神だからです。
カメハメハがハワイ統一の戦いで互角に争ったマウイの大王カヘキリは、自身のことを、カネの神の1つ「カネヘキリ」
(雷の神)の子孫だと主張していました。カネヘキリは右半身が漆黒、左半身が白かったと言われており、
カヘキリも、右半身全部に漆黒の入墨をしていたということです。
カネで有名なのは、なんといっても「カネの水」といわれる、死者を蘇らせることのできる水の伝説です。
この話の主人公はアウケレヌイアイク、そしてアウケレの妻がナマカオカハイです。
そう、どこかで聞いた ことのある名前ですね。火の女神ペレの神話で、ペレとヒイアカを無理やり自分の
ものにしたという言い伝えも あるアウケレと、それに腹を立ててペレを殺してしまったというペレの姉、
ナマカオカハイがこんなところ で登場しています。
ペレ神話では2人は悪役、憎まれ役のイメージですが、カネの水の伝説では、2人は正義の主人公、といった
役どころです。面白いので、カネの水の伝説は独立したカテゴリーにしてみましたので、詳しくお知りに
なりたいかたはそちらも参照してみてください。
ちなみに、カネのキノラウ(化身)はさとうきびとオヒアレフア。また、カネの信仰に生贄は不要、
穏やかな神様だったようです。