カウアイ島東南部、ナウィリウィリ(Nawiliwili)というところに、メネフネ養魚池(Menehune
fishpond)と呼ばれる池があります。
昔、カウアイの王様が、養魚池を作ることを思い立ちました。早速人々に命じて作らせてはみたものの、壁が弱くて、海から大きな波が来るとすぐに崩れてしまいます。
そこで王はメネフネを呼び、養魚池作りを手伝ってくれるかどうか訊いてみました。
メネフネが答えて言うには、「おやすいご用だ。ただ1つ条件がある。我々が仕事をしている間、誰もそれを見に来てはいけないよ。」王は快諾します。
その夜、メネフネは早速仕事にかかります。壁を作るに当たって、彼らは遠く離れたカラヘオの地から、堅い熔岩を運び込むことにしました。そのために、何千人というメネフネがカラヘオから養魚池
までずらりと並び、次々に手渡しで熔岩を運んでいったのです。
やがて日の出が近づいてきました。メネフネのリーダーは皆を呼び集め、できあがった池で手を洗いました。なぜなら、角張った熔岩を運んでいたために、彼らの手は擦り傷だらけになっていたからです。このため、養魚池の名前は「アレココ(Alekoko)」すなわち、「さざ波のような血」と呼ばれたそうです。
メネフネは犬が吠えたり鶏が鳴いたりすると仕事を投げ出してしまう習癖があるのですが、一説によるとこの養魚池を作ったときも途中で放棄したらしく、池の一部の壁が他の壁と異なっており、いかにも後から増築したのが見て取れるそうです。