【ハワイイロア'The Discoverer' とマカリイ'The Navigator'】
ハワイに最初に住んだ人間は、ハワイイロアという伝説の漁師だったといわれています。
ハワイイロアは、「カアイナカイメレメレアカネ(カネの黄色の土地)」と呼ばれる遠い
国の、カパカパウア・カネというところの出身です。彼は遠洋漁業の達人で、1年にも及
ぶ遠洋航海にもしばしば出かけていたといいます。
そんなある日、ハワイイロアの船の航海士マカリイが、イアオの方角(東)に向かって船を進めるよう進言しました。「ホク・ウラ
(赤い星:おうし座の一等星アルデバラン)が 我々を導いてくれるはずだ」と。そしてたどり着いたのが、当時はまだ誰も住んでいなか ったハ
ワイ諸島です。ハワイイロア(直訳すると大ハワイ)の名前は、そのままハワイ島 の語源となりました。
しばらくハワイ島で暮らしたハワイイロアは、この島の快適さがすっかり気に入り、妻と
子供たち、さらには航海士や船大工など、一族郎党を呼びよせました。妻の名はフアラライ。その名はハワイ島コナの近くの山の名
前になりました。長男がマウイ。次男がカウアイ。その妻の名がワイアレアレ。最愛の娘の名はオアフ。それぞれ、ハワイ各地の語源に
なったのです。
ハワイイロアには、タヒチに住む、キイという兄がいました。その息子はハワイイロアの
娘オアフと結婚するなど、もともと2人は仲が良かったのですが、キイが古来の四大神の信仰を捨て、
人食いのクワハイロを信仰するようになって以来、2人は仲違いし、キイはハワイに移住することはありませんでした。
航海士マカリイは、星の航海士として、プレアデス(すばる)にその名を残しました。 ちなみに、タヒチの伝説では、プレアデス(マタリイ)は
もとは1つの星だったのですが、 それが明るすぎることに腹を立てた神タネ(カネ)が、腹心のアルデバランとシリウスを 呼んでマタリイを攻
撃し、6つに砕いてしまったのだそうです。