ハラウの中でもっとも重要なものは祭壇(クアフ)です。黄色のカパで包まれたラマとい う、黒檀の一種の木を切ったものがここに置かれました。ラマは、女神ラカのキノラウ
( 化身)の1つとされています。ほかにも多くの草花が飾られましたが、それらは、フラの 神に神聖なもので種類が決まっており、さらに、なかでも香りの高いものほどよいとされました。
(1)レフア。女神ラカのために
(2)ハラペペ。女神カポのために
(3)パラパライ(しだの一種)
ヒイアカのために。
(4)イエイエ。ラウカイエイエのために。
(5)マイレ。マイレ4姉妹(ライエイカワイの伝説で登場)のために。
そのほかにも、ハウ、イリマ、ウル(ブレッドフルーツ)、バナナ、ティーリーフ、オヒ
ア・アイ、コキオ、マイアなどの植物、また、パラパライ、パラア、ホヒウ、エカハ、イ
ワなどのシダの類が飾られました。
祭壇に捧げ物をするにあたっては、そこでの立ち居振る舞いや、どんなチャントを唱える
かなどの細かい決まりごとがありました。それらは、フラの女神たちと人間との間をより
近しいものにする働きもあったようです。
祭壇に捧げる植物を森に集めにいくときのチャントは生徒達全員で合唱されました。
<森で祭壇のための植物を集めるときのオリ>
この行為は森を破壊することになるかもしれません。
マイレの荒々しさを摘み取ってしまうことになるかもしれません。
ラカ、あなたに花輪を捧げるためのものです。
そしていつも私たちを癒してくれるヒイアカ、
この祭壇にきて力をあたえてください。
私たちのことを心に留めてください。私たちの命のために。
私たちのお願いは生きていくためのものです。
<コーラス>
私たちに命を与えてください。罪をおかさせないでください。
祭壇に捧げる祈りは非常にたくさんあったので、たとえ飾り付けに時間がかかっても、次
々と別の祈りを唱えていきました。逆に言うと、飾り付けが完全に終わるまでは祈りをと
ぎれさせてはいけなかったのです。
生徒達が祭壇の飾り付けをしながらチャントを歌うのとはまた別に、クムはクムで、女神
ラカがこのハラウに宿って皆を見守ってくれるようにと祈りを捧げました。
<祭壇を飾り付けるときのオリ。ラカに捧げる>
大雑把には、祭壇の飾りつけという行為が正しいことでありますように、という意味。
注:ここでのマウナロアはハワイ島ではなく、モロカイ島
モオヘライアは場所は不明。モロカイ島のどこか
カウラナウラ:太陽が沈む場所。また、これも女神パパの子孫のフラの神とのこと。