ハワイの神話と伝説~ホロホロコラム~ハワイの切手(2)

(2001.2.4)

今回は、アメリカ合衆国で発行された、ハワイにまつわる切手をご紹介します。
アメリカ合衆国のハワイ併合後、最初に発行されたのは、1928年の「ハワイ諸島発見150年」の切手です。 (写真1)要するにクック船長の来航150周年、というわけですね。ただしこの切手は、既存の普通切手(ワシントンと ルーズベルト:写真2)に、「HAWAII 1778-1928」と上書き印刷されただけのものです。

<写真1>ハワイ諸島発見150年 <写真2>これは1922年発行の普通切手

1937年、「アメリカ準州シリーズ」の1つ、「ハワイ準州」として発行されたのが写真3のカメハメハ1世像です。 このとき、同時に、アラスカ、プエルトリコ、バージン諸島の切手も発行されています。(当時プエルトリコとかは アメリカ領だったんですね・・)
また、1952年には、航空切手としてハワイをデザインしたものが発行されています。(写真4)

<写真3>準州記念 <写真4>ダイヤモンドヘッド

1959年、長年の懸案であった立州化が成立し、晴れて「アメリカ合衆国ハワイ州」となります。 立州を記念して、ハワイの勇士と地図をデザインした航空切手が発行されました。(写真5)。同じ年、 アラスカ州の立州記念航空切手も発行されています。

1972年には、国立公園100年を記念して、これも航空切手が発行されましたが、そのデザインは、 なぜかハワイ島の「プウホヌア・オ・ホナウナウ(Place of Refuge)」です。 昔、カプを破った人や、戦争の敗残兵の駆け込み寺だった場所ですが、切手のタイトルが「City of Refuge」とかになっているため、日本の切手カタログでは「難民の町」とか訳されていて、 なんだかわけがわかりませんね。(写真6)

その後、1976年に発行された独立革命200周年切手は、州別の旗がデザインされていますが、 50番目の州ハワイは、ハワイ王国時代の国旗がそのまま州旗になっているのがわかります。(写真7)

<写真5> 立州記念 <写真6> <写真7> ハワイ州旗

1978年には、クックのハワイ・アラスカ上陸200年記念切手が発行されています。 左側がクック船長、右側がレゾリューション号とディスカバリー号です。 1928年のときには「ハワイ発見」150周年でしたが、表現が「ハワイ上陸」に変わっているのが 面白いですね(写真8)

<写真8> ジェームズ・クック船長 レゾリューション号とディスカバリー号

1980年の珊瑚礁切手の1つに、「ハワイの珊瑚礁」というのがあります。(写真9)
続いて1982年の州鳥州花シリーズのハワイ州は「ハイビスカスとネネ」(写真10)
とても美しい切手で、FDC(初日カバー)にも凝ったものがあります。(写真11)

<写真9>珊瑚礁 <写真10> <写真11>

1984年には、「ハワイ州25年」が堂々と記念切手入り。デザインはカヌーとムナグロです。(写真12)。 1987年の野生動物シリーズでは、ベニハワイミツスイ、1992年の野生の花シリーズではレフアの花が 登場しています。(写真13、14)

<写真12> ハワイ州25周年 <写真13> イイウィ <写真14> レフアの花

1998年のトロピカル・バードシリーズでは、ハチドリ(写真15右上)や、ミツスイ(同、右下)と並んで ハワイからは「ハワイカンムリミツスイ」(同左下)が収録されています。
1999年のトロピカル・フラワーシリーズでは、極楽鳥花(Birds of Paradise:すごい名前ですね)、百合、ポインセチア、ハイビスカスが描かれています。なお、特筆すべきことに この切手はハワイ州ホノルルで発行されているとのことです。

<写真15> トロピカルバードシリーズ <写真16> トロピカルフラワーシリーズ

ご覧いただいてわかるように、昔は、切手の発行モチーフが、政治的な意味を持つものがほとんどでしたが、最近になると、 思いきり「ネイチャー指向」になっていて面白いですね。次回は、ハワイ、または南太平洋を素材にした切手たちを紹介 してみる予定です。お楽しみに。

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