(2007.4.27)
先日(2007年4月上旬)、クック諸島のラロトンガ島というところに行ってきました。
ハワイと同様、ポリネシア文化圏に属する小さな美しい島です。

昼間は島じゅう(とはいえ島を1周しても30km程度なのですが)を色々訪ねて回って いたのですが、夜はあまりすることがありません。というか、夜はするこ とがないだろうなと 容易に予測できたので、このロケーションを活かした中波DX (MWDX)を計画して行きました。
「中波DX」というのは、簡単に言うと、夜間になると電離層で反射されて遠方まで届くようになる中波(300kHZ~3000kHzくらい)の放送を聞こうというものです 。短波であれば昼間でも遠くまで届くのですが、 太平洋諸国の島々では、ラジオ放送は中波とFMが中心で、FMは、原則として「見通せる範囲」までしか届かないので、太平洋の島々の放送を聞こうとすると、ど うしても中波で聞くことになります。中波とか短波とかよくわからないかたは Wikipedia「電波伝播」などご覧下さい。
使ったラジオは、DEGEN DE1121という、MP3録音のできる便利なラジオです。 これに自作のループアンテナを接続して使いました。DE1121その他機材に関して詳しく 知りたい方はこちらをご参照ください。「南の島で聞くラジオ:準備編」
前置きはともかく、結果として中波DXは大成功で、南太平洋の島々のラジオ放送だけでなく、 北米や南米の放送も受信できました。しかも結構クリアに聞こえます。 MP3ファイルを付けていますので、リンクをクリックしてちょっとした異国情緒気分を味わっ てみてください。
(それぞれMP3のストリーミングファイルで3分ずつほど収録しています。時刻は現地時刻です。できればヘッドホンで聞くことをお勧めします。IE6+MediaPlayerの組合せで確認していますが、ストリーミング再生がうまくいかないかたは、

【南米局】
あまり予想していなかったのですが、日暮れと共に南米、特にブラジル局が多数入感してきました。 受信状況はあまり安定はしていないものの、クリアに聞こえるときはまるで地元局のようです。


これ以外にもポルトガル語(スペイン語かも)での放送は十数局聴こえました。 どれも短時間の間クリアに聴こえては、すぐ減衰していくので、非常にスリルがあ ります。
【北米局】
LAあたりの局がよく聞こえました。ハワイは出力がさほど大きくないせいか、 あるいはアンテナの方向が悪かったのか意外と聞こえません。


【太平洋諸国局】
まさにこれが今回の目的です。言葉はちんぷんかんぷんのものが多いですが^^;、 異国情緒はたっぷりです。


※タヒチ唯一の中波局です。出力20kw。近いのに意外と弱いです。

※BBC World Newsの中継終了後、トンガ語のニュースです。


※旧西サモア。国旗に描かれているのは南十字星です。



※旧東サモア。アメリカの自治領ですが、公用語はサモア語です。


※「天国に一番近い島」で有名なところ。フランスの海外領土です。

※上記以外にも3つ周波数が出ていますがどれも2.5kwと小出力です。



※これは滞在地の局なのでDXとはいえませんが。。。
【西のほう】
夜が更けてくると、ニュージーランドやオーストラリア局が続々入ってきます。 明け方には中国や韓国などのアジア方面も聞こえました。 日本の局は729kHzのNHK第一(名古屋)、1053kHzのCBCラジオ(名古屋)が比較的 良く聞こえました。現地午前6時が、日本で深夜1時、ちょうどオールナイトニッポン が始まる時刻にあたります。
【とにかく】
予想通り、クック諸島は中波DXには抜群のロケーションでした。 南太平洋の島々の放送は勿論のこと、リオデジャネイロ-ロスアンジェルス-名古屋- ソウル-メルボルンというまさに環太平洋でのリスニングが楽しめます。 ただ、北太平洋局(ミクロネシアとかハワイなど)がほとんど聴こえなかったので、 次はハワイかミクロネシアに拠点をおいての中波DXにチャレンジしてみたいと思います。
また、このページで公開している録音はごく一部で、カットした部分や、WRTHでも同定できなかった録音が多々あります。もしもご興味のあるかたには録音ファイル をお送りしてもよいので適宜お問合せ下さい。