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サタワル島へ、星の歌 | ケネス・ブラウワー, 芹沢 真理子訳。 めるくまーる社 |
『宇宙船とカヌー』で名声を博したブラウワーのミクロネシアン・レポート。ヤップ島の女性生物学者、サイパン島でカロリン人の何千キロにも及ぶカヌー航海術を継承している男性、パラオで口伝の歴史や伝説を長老から聞き出す女性。著者は、分別ある島の暮らしと伝統を守るために爽やかな汗を流す3人のエコロジストたちを、共感を込めて描いている。 | |
歴史小説 ハワイ 上下 | ジェームズ・A.ミッチナー。近代文芸社 |
ミッチナーの有名な大作、「歴史小説ハワイ」です。(画像は上下2巻のうち、上巻)。この本以外にも、昔、いくつかの翻訳が出ているようです。 古代のタヒチからの移住にはじまって、宣教師の時代、植民地化の時代、第2次世界大戦を経て現代に至るまでのハワイの歴史が「生き生きと」描写されています。小説、という体裁のため、固有名詞は全て架空のものですが、どう考えてもこれはドールのことだろう、とか、極めてリアルな描写になっています。「SHOAL OF TIME」と併せて読むと面白いかもしれません。 | |
ハワイイ紀行 | 池澤夏樹。新潮文庫、新潮社 |
ハワイを薄っぺらなレジャーランドと思っている人たちにとっては衝撃の?1冊^^;。 リゾートアイランドとしての一面を完全に受け入れながらも、その向こう側にある自然や・文化・宗教などについて、それぞれの分野でのキーマンとの会見、また、ネイバーアイランド訪問という形式を借りて紹介。ハワイの奥深さと間口の広さを同時に堪能できる本。あまりの脚注の多さに「理屈で行くハワイ」というサブタイトルを進呈したくなったが、慣れると、この脚注が料理(本文)に対する、絶妙なスパイスになっていることがわかる。 | |
ハワイイ紀行 完全版 | 池澤夏樹。新潮文庫 |
上記のハワイイ紀行、雑誌「シンラ」に著者が断続連載していたものをまとめた本であるが、刊行後、さらにシンラに掲載されたミッドウェイ編と、すばる(マウナケア)編を追加収録したもの。 原版のモノクロ写真がこちらではカラーになっているものが多い。また、同じカラー写真でも原版よりこちらのほうが美しい。 原版から省略された記事や写真は全くない。・・・と思ったが、1枚だけ、原版にはあるのにこちらで省略されている写真があることに気がついた。なぜだろう? | |
エデンの炎:上下 | ダン・シモンズ。 角川文庫 |
ハワイの神話をベースにした怪奇ミステリー。 主人公の、エレノアという聡明で美しい女性が、ハワイで邪悪な神々との戦いに巻き込まれていく。一方、彼女が肌身離さず持っている「キッダーおばさん」の手記には、130年前に、おばさんとマーク・トウェインが実は当時のハワイで同じような危機に直面していたことが示されていた・・・。 ストーリーそのものは、ちょっと凝り過ぎかな?とも思うが、ハワイの神話に興味がある人たちにとっては、全編に散りばめられたハワイ神話の断片や、生き生きと描かれた半神たちなど、とても楽しく読めると思う。 | |
ハワイ・マナ | 中野次郎。 集英社 |
ハワイの精神性のキーワード、「マナ」をタイトルにしたエッセイ。
著者によれば、「マナには、魂、魔力、精気など多くの意味がある。私はここで、マナを強い心情、魂、心意気として解釈してよいと思う」とのこと。全体は「ハワイアーナ(風物詩)」編と「島々のシルエット」編に分かれており、収録されている分野は歴史や自然や伝統芸能はもちろんのこと、観光名所案内や社会問題まで、驚くほど幅広く、それでいて、「とおり一遍の紹介」に終わることなく、実に詳しい。この本をひととおり読むだけで、「いっぱしのハワイ通」になれること請け合い。 著者のハワイに対する愛情がひしひしと伝わってくる本。 |