ハワイの神話と伝説~フラ・ハラウ~フラの女神ラカとカポ

ラカとカポ、この2人はフラを学ぶ人々にとっては極めて重要な女神です。

【ラカ】
多くのフラ・ハラウでは、フラの女神はラカとされており、ラカに捧げるオリも非常にた くさんあります。しかしラカの出自、誰の子供なのかについては謎です。 四大神の1人、ロノの妹であり、また、妻でもあるというメレもありますが、フラの世界 以外では、そのような言い伝えは無いようです。

一説によれば、善悪両面を持つとされる女神カポの善の面がラカにされたのではないかと もいわれています。また、ラカという名の神は数人おり(いずれも男性)、タヒチではオ ヒアのことをラタと呼んでいたことなどからいくつかの混同があった可能性もあります。

とにかく、ラカは、フラの守護神であると同時に、ラカが存在するだけで回りに生命力が あふれ、病気も回復する、という善のエネルギーのシンボルとでもいうべき存在のようです。

【カポ】
少数ではあるものの、フラの筆頭女神をラカでなく、カポだというフラ・ハラウもあった ようです。カポはペレと同じくハウメアの娘で、ペレと同じようにカヒキからハワイに渡 ってきたといわれています。最初に到着したのはニイハウ島。そこでは酋長ハラリイが、 人々を招いての宴会の最中でした。

カポはハラリイのからだを借りてオリをうたい、つづいて妹ケウェラニに命じて、フラ・ キイと呼ばれる物まね風のフラを舞わせたのが非常に受けたそうです。具体的には、鳥の 物まねだったようで、踊り終わると両目をまるで真珠のように白目にするというパフォー マンスが大うけだったようです。この後たちまち、ニイハウ中にフラキイが広まりました。

カポ一行はニイハウ島からカウアイ島にわたり、ここでは島の男達とサーフィン競争をし て大勝ち、男達は皆溺死してしまうというエピソードを残しつつ、次はオアフ島経由でモ ロカイ島へ渡りました。ここで島の人々に請われてフラを伝授したため、モロカイ島が、 フラ発祥の地といわれることもあるようです。(モロカイ風のフラを特にフラ・クイと称 したりもします)

ここでカポは妹ケウェラニをクムフラとして、ラエア、ウルヌイ、ラカ(男性)の3人に フラを伝えたといわれています。ラカは彼らに、フラを学ぶにあたって、「フラは、学ぶ のにそんなに時間はかからない。ただ、気をつけて欲しいのは、フラを演じるためにはと てもたくさんのカプがあるの。これさえきちんと守ることができればすぐにでも卒業でき るわ。」と伝えたそうです。

カポには厳しく残酷な性格と、優しい守護神的な性格が並存しており、前者、暗黒の面で は、カライパホアという毒薬の神の妹でもあったともいわれています。
エマーソンは、この2面性は、例えていうならばロシアのエカチェリーナ2世と同じよう なものだろう、と書いています。

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