女の子は、イエイエの葉、という意味のラウカイエイエと名づけられ、鳥や花を友達にして、
それはそれは美しく育っていきました。彼女の家には、木の妖精や貝の妖精などたくさんの仲間が
集まるようになり、いつも光の中で歌声が聞こえる場所になっていました。
そんなある日、イエイエは夢を見ました。夢の中で、彼女はとてもハンサムな男に出会い、
たちまち恋に落ちてしまいます。その男はカウアイ島のほうにいる王子だということはわかった
ものの、それ以上のことは一切わかりません。
来る日も来る日もイエイエは同じ夢を見続け、とうとう恋わずらいで寝込んでしまいました。
仲間達はみな彼女のことを心配して、いったいどうしたのかとたずねると、
「私は彼と結婚したい。誰か彼を迎えに行ってくれないかしら」と言うのです。
友人達はみんな我先に「私が迎えに行く、いや、俺が」と大騒ぎ。そして、公平のために
一番指の長い人が行こうということになり、比べてみると、貝の妖精、ププカニオイが一番。
彼女は喜んで自分の一族を呼び寄せ、貝のボートをこしらえると、兄である風の神マカニカウも
呼んで意気揚々と出航していきました。
ところが船がオアフ島まで来たとき、浜辺にハンサムな男性が現れ、彼と恋に落ちてしまった
ププカニオイはあえなくリタイヤ。しかたがないので兄のマカニカウが単身、
カウアイ島に向かうことになりました。